やぁ、ムギ。
また顔をあわせられたら、声をかけますね。
いつもと同じように。
蘇生魔法を準備して。
我らの旅の足跡が、時間の濁流に押し流されようとも。
我らの冒険の数々が、0と1の狭間にかき消されようとも。
好奇心旺盛なあなたが、いろんなところを飛び回っているのは変わらないだろうし、「また今日もどこかで死にかけてるのかなぁ」と思い出してる私も変わることはないでしょう。
やぁ、ムギ。
この声も今は、届かないのかもしれないけれど。
蘇生魔法の詠唱も、もう届かないのかもしれないけれど。
また会ったら声をかけますよ。
いつかまた、どこかの場所で。
いつかまた。きっとそのうち。
やぁ、ムギ。またね。
<了>