奇襲

 深い峡谷にかかる橋を渡り、強大な敵を遠くに見る我等、Sio軍団。
 なんでも遠くに見えるあの怪物は、あの門から動かないそうなのですが、ちょっとでも近づくととんでもないDDをくらってしまうとのこと。
 なのでトリさんひとりを前面にたてて、残りのメンバーは弓や魔法で攻撃する作戦です。
 遠距離射撃戦なんて戦い、初めて参加しますよ。わくわくしますね。
 そんな中、私の役割はもちろんトリさんの傷を癒すこと。
 ひとりでそのDDを受け続けることになる、トリさんの命を救うのですよ。
 てことで戦闘開始。
 敵の大砲がトリさんを襲い、我等の弾幕雨あられとなって怪物に降り注ぎます。
 我等ヒーラー部隊の回復は、まずまず順調。
 トリさんは文字通り我等の盾になって、仲間を庇い続けてくれていました。
 いつ止むともしれない弾雨の中、長い長い射撃戦にもようやく終焉が見え始めたとき、事件は起こりました。
 「巡回!」
 Chisさんの声で振り向くと、背後から私を殴る敵の増援部隊が。
 奇襲ですよ! この卑怯者!
 まさかここに来て、背後から大量ADDとは。おのれ!
 奇襲に慌てる私と、瀕死の状態でいる門の怪物。そして、
 「削れ〜!」
の叫びの中、最後の弾幕をはる仲間達。
 その弾幕が届いたことを見ることなく瞬殺される私。
 けっきょく最後の攻撃も虚しく、我々は壊滅を余儀なくされたのでした。
 あともうちょっとだったんですけどねぇ。
 残念。
 しかしあのタイミングで奇襲を仕掛けてくるとは、敵もなかなかやりますな。
 橋の上での戦いだったので、完全に挟み撃ちの格好になってしまいましたよ。
 ちょっと正面だけに集中しすぎましたなぁ。
 ですが、これで奴らのやり方はわかりました。
 次こそは勝ちますよ!


<了>