不安な帰り道

 月曜日は終電を逃してタクシー帰り。
 つかまえたタクシーのドアを開けて、一瞬躊躇しましたよ。
 運転手さんは、人の良さそうなお爺ちゃん。
 それはいいんですけど、腕には「実習中」の腕章が。
 最近、こちらに転職されたそうなんですが、まだまだ慣れてないとのことで、どきどきです。
 カーナビは明らかに曲がるよう示しているのに真っ直ぐ行っちゃったり、逆に真っ直ぐなのに、右に曲がるレーンに入っちゃって、あろうことかそのまま真っ直ぐ行っちゃったり。
 けど「この前、失業しちゃって、ようやくこの仕事に入ったんですよ」とか、「もう本当に仕事がないですねぇ」とか悲しげに語られちゃうと、私は何も言えません。
 
 明日は我が身ですからねぇ。
 
 どこに行くかわからないから、安心して居眠りすることもできず。
 妙に不安な心持ちにさせられる帰り道となってしまいましたよ。
 しかしお爺ちゃんはタクシーの職にありつけたからよかったけど、私は運転免許すらないからなぁ。
 ほんとこれからどうなっちゃうんでしょうねー。