むしろそれまでに出す

 すでに誰もが疲弊の極みに達していました。
 最後のチャレンジとばかりの大乱戦が、どれだけの時間続けられているというのでしょうか。
 スカイファイヤー中のモンスターを集めたかと思われるほどの、プルまたプル。ADDにつぐADD。
 それも最後の真珠を手に入れるための覚悟の行為でした。
 「あの太陽が沈んだら諦めます」
 そう私は皆に告げました。
 すでに今日は一個の真珠を獲得しています。
 これだけでも大収穫。それなのに皆の命をこれ以上危険にさらす訳にはいきません。
 しかしその言葉にブランチさんは、瞬時に斬り返します。


 「むしろそれまでに出す」


 それが、ここに集まってくれた皆の総意でした。
 この大乱戦こそが、皆の決意なのでした。
 ペリックさんと訪れたこの地。
 フラさんが加わり、リルさんが応援にかけつけ、ブランチさんが行き過ぎて、diodeさんも手を貸してくれて、気がつけばフルパーティー。さらにはドンファンさんもプラーとして協力を。
 そして太陽が沈みきろうとしたその時。
 皆の決意と覚悟が、呼び込んだのです。奇跡を。ブランチさんの言葉どおり。
 「さすがに鳥肌がたったよ」
と声をかけるフラさんに促され、最後の真珠を手に取った私は、それを高々と掲げました。
 スカイファイヤーの空に。
 まるで新たな太陽がここにあるかの如く。
 その手に光る最後の真珠は、最高の輝きで我らを照らしたのでした。


<了>