雨上がりの罠

 どうやら私は、人様より早いみたいなんですよ。
 歩くスピードが。若干。
 考えてみると、どうも私は歩くとき、「歩く」という行為に没頭しちゃってるみたいなんですよね。
 もう集中。
 もう全力投球。
 歩くモードにシフトチェンジ。
 とくに通勤経路とかルーチンになってるコースだと、それが顕著になります。
 周りに知り合いがいても気づかないくらい。友人も、家族も、先輩も見えてません。
 正直な話、そういう時の私は周囲を、
「障害物」
 と
「動く障害物」
の2種類でしか認識してないみたいなんですよ。
 そんな私が通常モードに引き戻されるのが、身の危険にさらされたとき。
 今日みたいに雨が降ると、皆さん傘もってるじゃないですか。
 屋内とか、雨上がりだと外でも閉じたやつを。
 柄を持って歩きながら傘を振ってたりとか、
 カバンと一緒に地面と水平に持ってたりとか、
 とつぜん肩に担いだりとか、とかとかとか。
 前を歩いている、その閉じた傘を持っている人に、私は追いついてしまうんですよね。
 歩くの早いから。
 ふと気が付くと、目の前に傘の先端があったりする訳です。
 階段とか段差のあるところだと、さらにシャレにならない。
 「動く障害物だ」とか言ってられませんよ。そりゃ慌てて避けますよ。
 恐ろしい都会のトラップです。
 まぁ、私が不注意なだけなんですけどね。^^;
 傘を持っている人も、後ろで不審な慌て方をしてるサラリーマンがいたら、やっぱり嫌ですよねぇ。。。orz