釣師として

 私のカバンの中には、釣り装備が常備されています。
 釣り竿召還箱の他に、とっておきの釣り竿が2本。それと釣餌が2スタック分。
 妖精大陸で、郵便配達を生業としていた時代から目覚めた趣味ですからね。
 いつでもどこでも、それが危険地帯であればあるほど、水面に針を落とさずにはいられないのです。
 しかし危険地帯であればあるほど、死体を晒してしまう可能性も高くなる。
 私は死体に釣餌を残すことが多いので、ころころ死んでしまうと40個も持っている餌がすぐ無くなってしまうのですよね。
 てことでドワーフ親父から頼まれたレア魚を届けるお仕事は、絶対にこなしておきたかったのですよ。
 釣師のプライドのため。
 謝礼にもらえる釣餌召還桶のため。
 いやしかし、これがたいへん。
 ダグナーの大釜、フィーロット、レスティア湖、エバーフロスト、ハイパスと巡っていったのですが、さすがになかなか釣れませんでしたよ。
 最後のハイパスなんて、最後の一匹を釣り上げるのに1時間くらいかかりましたからね。
 半分くらい寝ながら竿をふってたら、魚の鱗が50枚以上たまってました。^^;
 けどどこの釣り場も、過去に釣りと冒険を楽しませてもらった懐かしい場所ばかり。
 思い出を水面に映しながらのまったりとした時間は、なかなかいいものでしたよ。
 桶も無事にもらえたし、来年からも釣師としてやっていけそうです。
 みなさま、相変わらず本職では頼りにならない私ですが、来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m


<了>