優しくない雨に打たれて

 本日のポタは夏を満喫。
 ただ満喫したのは困ったことに、夕立という夏の風物詩でしたが。
 ヘタレ自転車乗りの私としては、あんまり満喫したくないところ。
 濡れるし。汚れるし。MR4Fは痛むし。おやつの鯛焼きは湿気るし。
 しかもゲリラ豪雨といってもいいくらいの土砂降りで、しばらく立往生を余儀なくさせられましたしね。
 しかし新発見。
 濡れることの覚悟さえできたら、これはこれで楽しいポタかも。
 雨が強くなったら雨宿りに駆け込み、ちょっと弱くなったらまた走り出す。
 雲の薄い明るい空を目指して走り、当てが外れて降り出す豪雨に悲鳴を上げつつ逃走。
 夏の暑さを打ち消すひんやりとした風が肌を駆け抜け、火照った身体は雨粒が冷やしてくれる。
 いつもは迷惑なだけの雨ですが、今日はそれを積極的に楽しむ、ひと味違った新鮮な走りができましたよ。
 そんなこんなで29.5km。チーズケーキ4.1個分。
 夏の雨は自転車乗りにとって、思いのほか優しいようですな。
 
 とか思ったら。
 
 最後の最後でやられました。
 雨宿りに飛び込んだ、とある高架下。
 私よりも先に雨宿りを始めたカップルが一組いたのです。
 濡れたお互いの身体を温め合うように肩を寄せ、止まない雨を静かに眺める若いふたり。
 私がその「ふたりだけの世界」に、耐えられる訳があるでしょうか。
 より激しさを増した雨に向かって、私はMR4Fのペダルを力強く踏み込むのでありました。
 両足に何かを込めて。
 
 やっぱり雨は、優しくないようです。