優しくない雨を遮って

 地元に帰ってきたら、けっこう雨が弱くなってる雰囲気。
 「これなら大丈夫かも」と根拠のない推測により、ちょっと遠回りをした私。
 目的地は猫階段。
 ひさびさの様子見に。
 相変わらずここは、猫でいっぱいでした。
 そして人なつこさも変わらず。
 私が写真を撮り始めると、すぐさま一匹が私にじゃれついてきてくれましたよ。
 素晴らしすぎる。
 しゃがみ込んだ私の傍らで落ち着いて、モフられまくっても微動だにせず。
 写真とって、モフって。モフって、写真とって。
 永遠とも思えるその刹那、ひとときの幸せに水を差す雨が。
 
 強さを増す雨。
 微動だにしない猫。
 動けない私。
 さらに強さを増す雨。
 微動だにしない猫。
 動けない私。
 
 そのときようやく私は、その猫様の真意を理解したのでした。
 「もしや、この私が雨宿りされている!?!?!?」
 まさか、今日さんざん雨宿りを繰り返してきた私が、ここで雨宿りの屋根代わりにされるとは。
 
 猫様、恐るべし。
 
 こうして私という屋根は、猫様が飼い主さんに呼ばれるまで雨を遮り続けるのでありました。