あっさり歴史が消えていく

 「チームが消滅するってのは、ほんとに寂しいことだなぁ」
と実感したのは、鈴木投手の永久欠番オリッ鉄では引き継がれない、というニュースを見たときのこと。
 バファローズ唯一どころか、パ・リーグ唯一の永久欠番だった「1」が、来季からは普通に使われるようになるそうですな。
 野球以外もそうだと思うのですが、プロスポーツにおける歴史って大事だと思うんですよね。
 とくに野球って“間”を愛でるスポーツじゃないですか。
 絵画に例えれば、巨大な壁画とか長大な絵巻物とか、そんな感じ。
 ぼけ〜っと眺めながら、思い思いに呑んだり食ったりしながら、その絵そのもののディティールを語ったり、その絵にまつわる思い出を語ったり、描かれた当時の世相に思いを寄せたり。
 そういう時の語り種である歴史って、すごい大事だと思う訳ですよ。
 ノスタルジックなものを積み重ねていけばいくほど、そのチームそのものにも味がでてくると思うのです。
 そういった歴史が、ほんとにあっさり消えるという事実。
 そのあっさり加減に、ちょっとショックだった訳です。
 MLBってそこらへん、すごい大事にしてる気がしますよね。
 チームのオーナーが変わったり本拠地が移転したりとかしてますけど、そのチームの歴史をちゃんと売り物として、我々お客に見せてくれてます。
 スタジアムにモニュメント作ったり、永久欠番のフラッグを飾ってたり、球場内の施設を往年の選手にちなんだものにしたり。
 なんでも「メジャーがいい」って訳じゃないけど、そこらへんはマネしてもいい気がする今日この頃です。