捕らわれの父君

認知症の傾向が強まってからというもの、ひとつのことに捕らわれ気味の父。
何かひとつのことが気になると、そのことが頭から離れないようです。

最近のトレンドは歯医者。
「歯医者は明日だったよな?」
予約を入れているのは再来週なのですが、ここ数日は毎日のように確認されてしまいます。

カレンダーを指さして、
「今日はこの日で明日はこの日、そして予約日はここ」
みたいな感じで説明しても、聞かれたタイミングではイマイチ納得できないみたいです。
ちょっと時間を置いて認識の曖昧さが少しマシになった時は、ちゃんとわかるみたいなんですけどね。

聞いてみるとカレンダーの日付は見えているし読めてもいるけど頭には届かず、なぜか今日の日付を勘違いしてしまうそうです。
こういったことがあるたびにカレンダー付きの時計を指さして、
「勘違いしちゃうのは仕方ないので、もう自分の感覚は信じずに機械を信じよう」
と言っているのですが、捕らわれている時は時計の表示も理解できないので解決にならなさそうですね。
何かいい方法があればいいのですが。