瞬間妄想モード

居間に置きっぱなしになっている古い財布。
たぶん父のへそくりと思われます。
しまい忘れて買い物に出かけたんでしょう。
で、帰ってきた父がそれを見てびっくり。

「なんでここにあるんだ!」

明らかに「お前が盗もうとしてやったんだろう」的な感じで叫ぶ父。

「父が出しっぱなしで買い物に出かけたんだよ」
「入れ歯もそうだけど、父はいつも自分で使ったものをどこかにやって、そのまま忘れちゃうんだよ」
と父を窘めますが、そんな訳はないと納得いかない様子。

「こんな感じで失くしちゃったものを、いつも私が盗んだことにされるのは困るよ」
と言う私に対して、父はぼそりと言い放ちます。

「でもやってるんだろ」

いやぁ、参りましたね。
物盗られ妄想で泥棒扱いされるのは、曖昧な時の一時的なものかと思ってましたが。
買い物に出る前までそんなでもなかったのに、これとは。
一瞬で妄想モードに入ったのか、もはや慢性的に泥棒扱いなのか。
認知症は怖いですなぁ。